函館の音楽家集団「クレアシオン」は3日、函館市芸術ホールリハーサル室でコンサート「ひな祭りの日に」を開いた。5組のアーティストが出演し、多彩なプログラムで来場者を楽しませた。
同グループは、道南にゆかりのある音楽家たちが互いの交流を通して意識の向上に努め、地域の音楽文化への貢献を目的に1994年に結成。今回が89回目の演奏会となる。
最初に登場したピアノの石田雅代さんは、モーツァルトの「ああ、お母さんに聞いて」による12の変奏曲を披露。「きらきら星」として知られるシンプルなメロディーがさまざまに変化する様子を、繊細なタッチで表現した。
続いてピアノの畑中一映さんがショパンの作品など5曲を演奏。このうちショパンの「バラード2番」では、目まぐるしく表情が変化する難曲を、緻密な組み立てと伸びやかな響きでドラマチックに再現した。
このほかリコーダーの宍戸良子さんとオルガンの水田真木子さんのデュオが、バロック時代の2つのソナタを、ピアノの柴瑞穂さんがドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」など2曲を披露。ラストは女声コーラスの「アンサンブルモジェ」が「通りゃんせ」など日本のメロディー5曲を奏で、会場内を温かい雰囲気に包み込んだ。(小川俊之)