国内外の一流演奏家がピアノやバイオリン、室内楽などの公開レッスンを行う第7回ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ記念「イカール国際ミュージックキャンプ 2017 in Hakodate」が14日、函館短期大学を主会場に始まった。公開レッスンやガラ・コンサートなど多彩なイベントが20日まで繰り広げられる。
函館国際室内楽アカデミー(岡田照幸代表)主催。室内楽に重点を当てた国内では珍しい試みとして注目を集め、今年は全国から4部門に延べ69人が受講する。
初日は特別講師として今回が初参加となる東京藝大学長でバイオリニストの澤和樹さんによる公開講座「弦楽器を愉しむ」が、函館短大第一音楽堂で行われた。受講生や音楽愛好家ら100人以上が詰めかける中、澤さんは名曲「タイスの瞑想(めいそう)曲」(マスネ作曲)を美しい音色で奏で、大きな拍手を浴びた。澤さんは弓の使い方や左手での弦の抑え方など、美音を生み出すためのポイントを具体的に説明。受講生からのビブラートに関する質問に対しては「意識して(ビブラートを)かけるのではなく、イメージした音に近づくように自然にかけられるようになることが重要」と訴えた。
兵庫県から受講したバイオリンの高田安主子さん(13)は「澤先生の講義はとても参考になった。今月末にコンクールに出場するので、実力を磨いていきたい」と意欲を見せていた。(小川俊之)