三次マキさん(十勝管内音更町出身)の人気コミックを原作とした映画「PとJK」(廣木隆一監督)が25日、全国一斉に公開される。昨年6~7月に遺愛女子高校など函館市内を中心に撮影され、警察官・功太を亀梨和也さん、女子高校生・カコを土屋太鳳さんが演じる。年の離れた2人の秘密の結婚生活を描いたラブストーリーだ。
主人公カコが通う「音尾高校」は、国の重要文化財の遺愛学院本館や登録有形文化財の講堂などで撮影。同校では過去にもドラマやCMなどの撮影はあったが、約1カ月の長期ロケは初。相川宏泰教諭は「全国にいる卒業生にも校内のシーンを懐かしく思って見てもらいたい」と喜ぶ。
共学校の設定のため、200人ものエキストラを交えた撮影日は、少ない男性用トイレが混雑する女子高ならではの状況も。旧函館五稜中学校体育館で撮影した学校祭のシーンには、同高吹奏楽局やチアリーダーが出演している。
撮影中は校舎内で出演者とすれ違ったり、現場を直接見学できる機会もあったという。1年生の浮須文菜さん(16)、中井みのりさん(16)、市村優奈さん(16)は「太鳳ちゃんに声を掛けたら気さくに話しかけてくれた。同じ空気の中にいたことがうれしい」と話し、「数回は見に行きたい」と上映を心待ちにしている。
同校以外では、功太とカコが新婚生活を送った元町の旧岡本邸、カコが自転車で駆け下りるシーンが印象的な幸坂、廣木監督がロケーションを気に入ったという五稜郭緑地など函館の美しい景色が随所で撮影された。
はこだてフィルムコミッションは、2月下旬からロケ地マップ(A4判三つ折り、両面カラー)の配布を開始。全国の松竹系の映画館にも置き、7万部発行したが、急きょ2万部を追加するほどの人気ぶり。市外の希望者には無料で郵送しているが、これまでに430件を超える申し込みがあった。事務局の市観光部コンベンション推進課は「ロケ地マップを作った作品で反響が一番大きい。映画を見た後は、ぜひ観光に来てもらって、ロケ地をはじめ、函館の魅力を見つけてもらいたい」としている。(今井正一)
函館市内の2館でも25日から上映。初日の初回のみウエルカムカードを配布予定。25、26の両日の上映開始時間は次の通り。
▽シネマ太陽函館(0138・22・2021)=午前9時、同11時35分、午後2時40分、同6時40分、同9時40分(シネマ1、101席=車いす席含む)
▽シネマアイリス(0138・31・6761)=午前8時20分、午後0時5分、同2時15分、同4時25分、同8時55分(66席)