市民創作「函館野外劇」第36回公演「星の城、明日に輝け」(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会主催)が7日、五稜郭公園一の橋広場で開幕した。特設スタンドの客席に約140人が来場。コロポックルや弁士の案内に華麗なダンスや迫力ある殺陣のシーンを交えた演出で、函館の歴史絵巻を上演した。
1988年に始まり、2021年から昼公演としている。オープニングセレモニーで同法人の中村由紀夫理事長が「夏が来ると野外劇という函館の名物になり、文化的遺産だと思う。まだ半分の市民が来場していないと思うので、知り合いに広めてほしい」、大泉潤函館市長が「この地に生まれ、この地を育んだ多くの先人の熱い思いの物語で、回を重ね魅力も増している。多くの市民ボランティアの手で運営されている劇を楽しんでほしい」とあいさつした。
アイヌ民族の時代から、高田屋嘉兵衛、ペリー提督の来航、完成した五稜郭を有名にした箱館戦争、函館大火や戦争からの復興や函館の文化を約1時間で紹介。殺陣では土方歳三らの剣術に拍手が送られ、フィナーレでは故新井満さんが作詞、作曲を手掛けたテーマ曲「星のまちHAKODATE」を出演者が歌い、手を振りながら一緒に歌う観客も見られた。
来場していた市内湯川町の主婦(66)は「各シーンを丁寧に演じているので、誰が見ても函館の歴史を理解でき楽しめると思う。殺陣やダンスのメンバーは女性が多く頑張ってほしい」と話していた。
屋外公演は14、21、28日午後4時から。8月10、11日は函館市芸術ホールで屋内公演を計3回行う。入場料は屋内、屋外公演とも一般1000円、中学生以下500円。詳しくは野外劇ホームページ、または事務局(0138・56・8601)へ。(山崎純一)