函館の歴史的風土を守る会(歴風会、佐々木馨会長)は25日、第41回歴風文化賞を発表した。保存建築物に「武内洋美邸(旧阿部文男邸)」(函館市青柳町)、団体賞に「箱館稜雲社」のほか原風景として「弥生坂」の計3件。表彰式は2月16日午後6時から函館市内のホテルで開かれる。
保存建築物■武内洋美邸
武内洋美邸は、1934(昭和9)年の大火後間もなく建てられた木造2階建て。外観は淡いピンク色に塗装された下見板張り、1階と2階に出窓のある西部地区の伝統的な建築物に多く見られる様式。2016年に住宅を取り壊す話があったが、武内さんの家族が17年に埼玉から一家で移住した。1階から出入りできる内蔵、2階の和室も創建時のまま保存されており、創建当時の姿を現在に伝えている。函館市で昭和初期の住宅の歴史を知る上で貴重な建築物としている。
団体賞■箱館稜雲社
箱館稜雲社(久慈豊塾頭)は、1977年に歴史勉強会として発足したまちおこし団体で、毎年5月に行われる「箱館五稜郭祭」での活動を中心としている。同祭の土方歳三コンテスト全国大会は昨年、通算36回目を開催。維新行列、戦闘パフォーマンスなどにも参加して大いに盛り上げているほか、厚沢部町の「館城址まつり」や東京、神奈川でのイベントにも参加、協力している活動が高く評価された。
原風景■弥生坂
弥生坂(函館市大町~船見町)は、かつては函館商船学校などが坂沿いに立ち並び、現在は函館弥生小学校などが坂の歴史を伝える。坂の上部では「咬菜園(こうさいえん)跡」や「己巳役(きしのえき)海軍戦死碑」など、箱館戦争にちなんだ出来事を知る貴重な史跡がある。函館西部地区の歴史を漂わせていることで原風景とした。
表彰式の会場は、ホテル函館ロイヤルシーサイド(大森町16)。終了後は「歴風会新春チャリティーパーティー」を開催し、参加者を募集している。会費は一人6500円。申し込みは歴風会の斎藤さん(090・2871・3393)へ。(山崎純一)