歯周病の検査
歯茎がはれた、歯磨きで血が出る、歯がぐらつく、歯石を取ってほしい。このように訴えて歯科医院を訪れ、歯周病の治療を受ける方は多いです。治療を行う前に、必ず歯周病の検査が必要です。何のための検査なのかあまり分かっていない方もいると思いますので、簡単に説明したいと思います。
X線写真では骨の形や高さ、歯周病による破壊の程度、歯茎より下の歯石、齲蝕、かぶせ物の不適合などを確認します。歯周ポケット検査では歯の周りの溝の深さや、測定時の出血や排膿を調べます。歯周ポケットの正常値は3㎜以下で、値が大きくなるほど問題になります。出血のある所は炎症があり、排膿は歯周病悪化のサインです。X線写真だと歯と重なって分からないですが、歯周ポケット検査で歯の頬側や舌側の骨の高さを把握できます。痛いからやりたくないと言う方がいますが、正常な歯茎ではほとんど痛みを感じず、炎症があると痛みや不快感が強くなります。タバコを吸う人は血管を収縮させるため炎症があっても出血しづらくなります。
次に歯の動揺度を検査します。健康な歯でもわずかに動きますが、炎症が進むと動揺度が大きくなります。また、かみ合わせが悪くても動揺が大きくなり、歯周病を悪化させます。プラークスコアは歯垢の付き具合を染め出し液を使い調べます。各歯の歯茎近くの面を4分割し詳しく汚れの部位を確認します。口腔内写真ではかみ合わせの状態や、歯茎の形と表面性状を記録します。
これらの検査の情報から、歯周病の広がりや進行具合を予測します。歯周病の状態を把握し治療計画を立てていきます。また初めに調べるだけでなく定期的に行い変化を記録します。検査結果を再評価し治療計画を修正することもあります。メンテナンスの時も、気づかずにいる歯周病の進行の予知や、状態安定の確認をするため適宜行います。何回も検査すると思うかもしれませんが、的確な治療のためには必要なことです。
(ハコラク 2022年10月号掲載)
略歴
昭和59年、函館中部高等学校卒業。平成2年に北海道大学歯学部を卒業後、札幌市内の歯科を経て、平成17年から吉田歯科口腔外科に勤務。
吉田歯科口腔外科
函館市湯川町1-30-8
☎0138-59-3918
https://www.ydos.com
■診療科目/歯科、歯科口腔外科、小児歯科
■受付時間/月~金9:00~12:30
14:30~18:00
土・日9:00~12:30
14:30~16:30
祝 日9:00~13:30
■年中無休