開発、販売中の商品に対して地元デザイナーから新たな包装案を募り、展示する「函館パッケージ展」を来年2月に開催するのを前に、函館市は包装の刷新、提案を希望する市内食品加工企業3社の商品を選定した。市は、斬新なパッケージ案を求め、事業に参加するデザイナーを12月19日まで募集している。
企業とデザイナーを結び付け、商品ブランド力の向上などにつなげる狙い。9月に開いた選定委員会で応募のあった3社の商品を審査し、事業の対象に選ぶことを決めた。
三海幸(函館市本町、本多智和社長)は、道産昆布を昆布しょうゆとてんさい糖で味付けし、棒状に仕上げた「まきまき昆布スティック(仮称)」の包装デザインを依頼。既存品のリニューアル商品で、原材料や無添加へのこだわりなど、同社の強みをアピールできるパッケージを志望する。
北海道製菓(亀田町、宮本正社長)は、道産小麦とてんさい糖、カボチャ粉末を100%使用した「北海道かぼちゃカンパン」で包装の一新を検討。北海道ならではのデザインが希望で、約40年前の販売開始以降、包装の変更は16年ぶりとなる。
マルヒラ川村水産(旭町、川村淳也社長)は、鮮魚や水産加工品を本州へ直送する際に使用する業務用発砲スチロールのデザインを求める。納品先にはレストランなどの格付け本「ミシュランガイド」の掲載常連店もあり、高級感をイメージさせるプロの作品を望んでいる。
参加対象は、市内在住か市内に事業所を持ち、企業と協議しながらグラフィックデザインを制作できるデザイナー。法人、個人は問わない。
来年1月4~18日にデザインを提出してもらい、1月下旬の審査でそれぞれ最優秀賞1点を決める。全応募作品は、2月13~17日に函館コミュニティプラザ(Gスクエア、シエスタハコダテ内)で開くパッケージ展で紹介する。市食産業振興課は「地元デザイナーのレベルアップを促し、接点を持つ企業のデザイン戦略強化につなげたい」としている。
事業の詳細は専用ホームページ(https://hakoーpack.net/)でも確認できる。申し込み、問い合わせは同課(0138・21・3314)へ。(山田大輔)