【木古内、知内】海底に一定期間酒類を沈めて味を変化させる「海底熟成」の事業を展開する北海道海洋熟成(札幌、本間一慶社長)は個人や事業者から預かった酒類を沈める新規事業「海底セラー」を始める。上磯郡漁協(西山武雄代表理事組合長)の協力で木古内、知内両町の海域で実施。4月19日まで希望者を募集し、6月末から1年間、海底で熟成させた後に返却する。
同社は道内各地の海域で事業を展開。海底に沈めた酒類は、波の力がアルコールや水分子に作用して味や香りに変化をもたらす。木古内、知内両町では海底熟成を終えた日本酒やウイスキーをふるさと納税の返礼品に採用し、好評を得ている。
海底セラーは酒類製造者、酒販店、飲食店などの事業者や個人から有償で酒を預かり、「海底熟成」によって付加価値を高める初めての試み。同社は1月から知内漁港(涌元)内で海中の様子を撮影するカメラを沈めた実験を進めており、申込者が海底の様子を確認できるよう情報を提供する。
事業は1口(12本まで)10万5600円(税込み)。1年間の管理費、損害保険料、ろう封費用、海底監視システム利用料が含まれる。沈める酒はウイスキー、ジン、ラムなど組み合わせは自由(円筒状のガラス瓶、直径12センチ、高さ35センチ、750ミリリットル以内)で各自で用意。送料、返却料は申込者の負担となる。
全体の募集上限の300口(3600本)を上回った場合は抽選。申し込みは二次元コード参照。(今井正一)