北海道六大学野球1部秋季リーグ(道学生野球連盟主催)第2節第2日は4日、オーシャンスタジアムで1試合を行い、函大が13―3の6回コールドで道教大函館を下し、開幕4連勝を飾った。道教大函館は4連敗。第3節の8、9の両日は、江差町のうみ街信金ボールパークで函大は旭川大、道教大函館は苫小牧駒大と対戦する。(山崎純一、小林省悟、佐々木 司)
函大は立ち上がりを攻めた。初回1死から釜谷の中前打と二盗、武井の右前打で先制すると、小林の四球などで二、三塁とし、川崎、石山、沼上の3連打で一気に5点を挙げた。2回は武井、小林の連続敵失で無死二、三塁に川崎の犠飛、沼上の左前適時打で2点を追加。6回は無死二、三塁から小林、川崎、石山、沼上の4連打、徳政の四球、小田嶋の右中間適時二塁打と打者9人の猛攻で6点を奪って試合を決めた。
道教大函館は大量失点も打線が好機を作った。7点差の4回は満塁から浅見の押し出しの死球で1点。6回にも満塁とし、若佐が右越え二塁打を放って2点を返し、粘りを見せた。
函大打線爆発 12安打13得点
函大は相手のミスを逃さず、12安打13得点と猛打で快勝し、第3節につなげた。
3日にマルチ安打を放った6番・石山凌(秋田・能代松陽)、7番・沼上仁哉(神奈川・横浜創学館)の3年コンビはともに3安打で打点も稼ぎ、勢いは止まらなかった。
石山は球を見極めて左右に打ち分け、2打点と勝利に大きく貢献。「タイミングを取る段階でストライクゾーンに来た球が見えていた。余計なことを考えず、チームが勝つことだけを考えて打てている」と絶好調だ。阪内俊喜監督も「石山は良い状態の当たりが戻ってきた」とたたえた。
3日に2点本塁打を放った沼上はこの日も勝負強さが光り、3打点の活躍。「軽いバットに変えて、強く振ることを意識したのが良かった。この3安打はでかい。この調子を続けたい」と言葉が弾んだ。
1年生で唯一先発出場している5番・川崎悠矢(千葉・検見川)も初回に左前2点打、2回にも犠飛を放ち、中軸としての役割をこなした。「点を取りたかった。肩を開かず、強く振れた。2回も最低でも犠飛と思って狙った」と胸を張った。
一方で6回に2失策から2失点を喫し「ぴりっとしない試合」(阪内監督)と不満が残った。黒木匠主将(3年、秋田・本庄)は「勝てたのはうれしいが、守りでのミスなのでこの内容ではだめ。自分も調子は良くないが、修正したい」。次節は旭川大との全勝対決。反省点を踏まえ、気を引き締めて江差に乗り込む。
前主将・小林が好調キープ
函大の前主将、小林俊己(4年、秋田・能代松陽)は6回に右翼線2点二塁打を放ち、第1節から4試合連続安打と好調だ。
本来は1、2番のタイプだが、今季は4番に座る。「人生で初めての4番だが、今までの役割と変わらない」と打順にとらわれず、淡々と自らの仕事に徹する。「球に逆らわずに丁寧な打撃を意識できている」。第4節で計7安打と良い感触で振れている。
昨秋、春と務めた主将を黒木に託し、肩の荷が下りて精神的なゆとりができたことも結果につながっている要因の一つ。「春に比べて視野が広くなった。後輩たちも気を遣わずにやりやすい環境を作ってくれている」と感謝する。
リーグ連覇と、昨年敗れた札幌リーグとの代表決定戦で雪辱したい思いが強まっている。「これから一つ一つ落とせない。集中して次につなげていきたい」と、4年生としての最後のシーズンに意地を見せる。
函教大 若佐が2点返し食い下がる
道教大函館は序盤と6回の大量失点が響いた。ともに失策をきっかけで、三浦久仁夫監督は「ミスをずるずると引きずった。悪い癖が出た」と肩を落とした。
初回、先発・飯田翔太(2年、札幌光星)が立ち上がりを攻められて5失点。6回には外野の落球、さらに内野ゴロの処理を誤るミスが重なって一気に6失点。初回途中から登板した後藤悠之(1年、秋田・能代)が好投していただけに、三浦監督は「初回は仕方がないが、6回は無失点で乗り切れたかもしれない」と悔やんだ。
それでも2、4、6回と満塁のチャンスを演出。特に6回は無死満塁に若佐優大副主将(3年、青森・田名部)が右越え2塁適時打で2点を挙げて食い下がった。
大敗も次節に切り替える。「今年はこれまでとは違うチーム」と、三浦監督は期待とともに「この悔しさを忘れずに次戦に臨んでほしい」とハッパを掛ける。次戦は苫小牧駒大戦。若佐副主将も「残り6試合、全部勝つつもりでいく」と巻き返しを誓った。
函大4連勝 道六大学野球秋季リーグ
◇第2節▽第2日
函大(4勝) | 520006 | 13 |
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道教大函館(4敗) | 000102× | 3 |
(6回コールド)
函 大 | 打 | 安 | 点 | 振 | 球 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
⑦ | 黒 木 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | |||
⑨ | 釜 谷 | 4 | 1 | 0 | 0 | 1 | |||
9 | 瀧 野 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
④ | 武 井 | 5 | 1 | 1 | 0 | 0 | |||
⑧ | 小 林 | 3 | 1 | 2 | 0 | 1 | |||
⑤ | 川 崎 | 3 | 2 | 3 | 0 | 0 | |||
5 | 園 田 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
③ | 石 山 | 4 | 3 | 2 | 0 | 0 | |||
3 | 千 葉 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
② | 沼 上 | 4 | 3 | 3 | 0 | 0 | |||
⑥ | 北 嶋 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
H | 徳 政 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | |||
R | 鎌 本 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
6 | 城ヶ峰 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
D | 福 田 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | |||
H | 小田嶋 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | |||
R | 桜 庭 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
犠 | 併 | 残 | 盗 | 失 | ― | ― | ― | ― | ― |
2 | 1 | 9 | 5 | 2 | 32 | 12 | 13 | 0 | 6 |
道教大函館 | 打 | 安 | 点 | 振 | 球 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
⑦ | 浅 見 | 3 | 0 | 0 | 2 | 1 | |||
⑤ | 冨 山 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
3 | 田 中 | 3 | 1 | 0 | 1 | 0 | |||
⑨ | 三 科 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
③ | 5 | 清 水 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||
⑥ | 蝦 名 | 2 | 1 | 0 | 0 | 1 | |||
④ | 田 元 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | |||
H | 三 浦 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
② | 佐 藤 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | |||
H | 坪 内 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
D | 佐 竹 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | |||
H | 佐々木 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
H | 大 屋 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | |||
⑧ | 若 佐 | 2 | 2 | 2 | 0 | 1 | |||
犠 | 併 | 残 | 盗 | 失 | ― | ― | ― | ― | ― |
0 | 1 | 9 | 0 | 6 | 26 | 6 | 2 | 4 | 4 |
投手 | 回 | 打 | 数 | 安 | 振 | 球 |
---|---|---|---|---|---|---|
高橋 | 5 | 23 | 74 | 5 | 4 | 3 |
海老塚 | 1 | 7 | 20 | 1 | 0 | 1 |
飯田 | 1/3 | 7 | 30 | 5 | 0 | 1 |
後藤 | 5 | 26 | 108 | 5 | 0 | 3 |
高橋 | 2/3 | 7 | 32 | 2 | 0 | 2 |
▽三塁打=石山(函)
▽二塁打=沼上2、石山、小林、小田嶋(函)若佐(道)
▽暴投=高橋(道)
(4日・あいべつ球場)
道教大旭川(3敗1分け) | 0001000100 | 2 |
---|---|---|
旭川大(4勝) | 0000000201× | 3 |
(延長10回)
【道】新井、岡田、清水、平原―小松
【旭】佐賀、富田―根保
▽本塁打=赤嶺(道)
▽二塁打=平原(道)、岡本(旭)