観光客の案内役となるまちあるきガイドを養成する「観光ボランティア育成セミナー」(函館市主催)が5日、市地域交流まちづくりセンターで開講した。約35人が受講、函館まちあるきネットワーク代表幹事で「一會(いちえ)の会」の佐藤喜久恵会長からガイドとしての心構えを学んだ。
セミナーは函館工業高等専門学校の奥平理准教授や箱館歴史散歩の会主宰の中尾仁彦さんらが講師を務め、来年1月までに5回の講座でガイドに必要な基礎知識を身につける。
市観光推進課の横山敬一課長は来年3月の北海道新幹線開業を念頭に「観光客は1度はやってくるがリピーターになってもらえるかが重要で、函館の第一印象が大切。市民の皆さんのおもてなしの心が函館観光の発展につながる」とあいさつした。
講義で、佐藤さんは「函館の街の成り立ちとこれから」と題して、西部地区の歴史的建物や坂道、景観の見どころなどを案内。観光客を疲れさせないような話し方や「知識の押し売り」にならないよう分かりやすい話を心掛けることなど、ガイドとしての留意点を紹介した。
佐藤さんは「旅は1日でも思い出は一生もの。全部を素晴らしく案内しなくてもいい。1つでも1カ所でもお客さまの胸に(思い出を)ストンと落とすことができれば、リピーターになってもらえるはず」と話した。座学後は実際に西部地区を散策し、佐藤さんが実際のガイド時に紹介しているポイントなどを見て歩いた。 (今井正一)