臥牛山12月15日・エルニーニョと北国の冬
気象庁は10日、太平洋赤道付近の海面温度が上昇する「エルニーニョ現象」について、昨年夏に発生した現象が最盛期となり、春にかけて続く可能性が高いと発表した。世界で異常気象を引き起こすといわれる現象だが、函館でも気温の高い日が続く▼気象庁の速報値によると、函館で12月上旬の平均気温はプラス2・5度。平年より0・9度高く、15日ごろまでの最高気温は7~10度と予想。月末には平年並みになるそうだ▼統計的には、同現象が北日本の冬の気候に及ぼす影響は大きくないという。平均気温は平年並みとなる傾向が47%、高いが15%。太平洋側の日照時間は平年並みが39%、多いが23%。同じく降水量は平年並みが38%、多いが31%▼ただ、北日本以外では寒気の流入が弱くなり、南から温かく湿った空気が入るため暖冬になるとされる。この1カ月で上空約1500メートルの気温は、北日本から東日本で平年より約2度高い。やはり影響を考えてしまう▼暖冬は、暖房代が節約できるなど良い点もあるが、冬服や用品の販売、動植物の生育など悪い影響が多い。現象の根本的な原因は不明とされているが、地球温暖化防止に向け、小さなことでも積み重ねることが大切だ。(R)