臥牛山12月13日・あかつき
果たして宇宙人はいたのかな。日光が遮られても地表の温度は460度にもなり、1年中、硫酸の雲に覆われ、それが時速400キロの猛スピードで流れている。大気のほとんどが二酸化炭素で温室効果は強烈…▼大きさが地球とそっくりで双子惑星、姉妹惑星といわれる謎の金星を観測する日本の探査機「あかつき」が主エンジンの故障で軌道投入に失敗して5年。探査機は設計寿命が過ぎており、高熱や放射線の影響が心配されていた▼地球に比べて二酸化炭素など充満している惑星。それでも宇宙航空研究のJAXAは先日、数万通りの試算を経て、金星を待ちぶせ、追い越される瞬間に小型エンジンをかけ、軌道に乗せた▼どうして設計寿命を超えた無人衛星の「老機」が高速で動く目標を狙うことができたのか。どうやって小型エンジンを噴射できたのか。日本の科学技術の優秀さに驚くばかり。極めつきの「温暖化惑星」の謎の解明がスタート▼今後、地球温暖化で気温が上昇、大きな災害が増えるという。折しもパリで気候変動枠組みのCOP21が開かれ、世界から英知を集め、対策を話し合った。地球も、いつか高熱の温暖化惑星になるかも。「あかつき」の朗報が待ち遠しい。(M)