臥牛山4月22日・刑務所が避難所に
先日、南米エクアドルで発生した大地震で、刑務所から約100人の受刑者が脱走したという。一連の地震で被害を免れた熊本刑務所は、避難所として近隣住民を受け入れている▼刑務所が災害時に住民の避難場所になるのは、初めての試みという。刑務所は災害救助法の適用外で、日常から独自に非常食を蓄えており、福岡や広島など6刑務所が被災地に3万5000食を提供した▼熊本刑務所は職員用の武道場などを開放。井戸水を使っており、食料や水に困ることはなく、一時は約250人が身を寄せた。近くの少年鑑別所には臨床心理士の資格を持つ職員もおり、心理的ケアもできるという▼子どもがいれば迷惑をかけるとマイカーで寝る親子、高齢者夫婦。長時間、狭い空間で同じ姿勢を続けると、血栓が肺の静脈にたまり、呼吸困難になるエコノミークラス症候群(熊本の場合は車中泊症候群か)。ついに震災関連死が出た▼やまぬ大きな余震。不安、恐怖、疲労…。「みんなそばにおるたーい」。けがをした『くまモン』に動物たちが駆け寄って元気づける―漫画家のちばてつやさんが被災者を励まそうと描いたイラスト。関連死を防ぐためにも、広域避難など一歩踏み込んだ対策が急がれる。(M)