臥牛山3月6日・新幹線効果
北海道新幹線の開業は既に秒読み段階。連絡船時代から、青函トンネルの開通に伴う新鉄路の時代を経ての新幹線時代の到来…歴史的な出来事であり、交通網に厚みが増すことで覚える感慨は大▼同時に期待されるのが、特に観光面での効果。札幌や小樽などを除き、全道的な盛り上がりに欠けると言われるが、それは無関心と同一ではない。先月の本欄でも取り上げた道東北を周遊する寝台観光列車の提案からもうかがえる▼事業費や技術的な問題は今後の検討に委ねるとして、実現は函館・道南にとっても願うところ。メリットを自分たちの地域にも、という動きだが、一方で社業の視点から函館・道南に注目する動きも出始めている▼函館に支店や営業所を開設しようとする動きで、道東の住宅メーカーなどは決定済み。函館・道南と道東北は産業構造が異なることもあり、交通網の整備も遅れ、縁は薄かった。今も濃くはないが、改めて目を向けさせるのも新幹線効果▼こうした企業が函館・道南に注目する裏に描かれているのは東北とも言われるが、例えそうだとしても歓迎される動きに変わりはない。函館・道南が道東北などの地域からうらやましがられる理由の一つが、そこにある。(A)