臥牛山2月5日・マイナス金利
老いたら福祉施設に入る足しにでもなればと、投資信託(元金保障型)に預けて10年。満期になったので解約したところ、利子が付かず元金だけ戻った。年明け後の株価急落などが影響したためか▼1月は「行く」2月は「逃げる」3月は「去る」と、行事が多く日が早く過ぎるといわれ、特に2月は「ニッパチの枯れ月」。商売が低調な時期に2月中旬から、日銀が金融機関に「マイナス金利」を初導入する▼日銀に預ける資金の金利をマイナスにする方法で、銀行が日銀に余剰資金を預けると残高に応じて日銀が手数料を取る。日銀にたまる資金を、市中に回して設備投資や消費を活発化させるのが狙いか▼マイナス金利は欧州中央銀行が導入しているが、預金金利の基本原則を逆転させる奇手の政策。さっそく金融機関は預金金利を引き下げたり、一部金融商品の販売を停止するなど対応策に出た▼日銀への手数料の穴埋めに、銀行の貸出金利が上がる心配もある。マイナスの言葉からは、よいイメージはわかない。アベノミクスが目指すデフレ脱却の最後のカンフル剤になるのだろうか。預けた金に利子が付かなくなると、リスクを考えて“タンス預金”に回る。異例の一手に不安がよぎるばかり。(M)