臥牛山1月28日・野々村元県議
函館市議会の政務活動費は議員1人につき月額4万5000円。収支報告書のみならず1円から領収書を添付し、インターネットでも開示するなど透明度は高いと言っても差し支えないだろう▼過去には不適切な支出がいくつもあり、市民オンブズマンの訴えが実って返還を命じられた例もあった。官民双方が改革への意識を高め、税金の無駄遣いの抑制につなげていったが、この御方は相変わらずであった▼政務活動費をだまし取ったとして詐欺罪に問われ、号泣会見で世間を騒がせた元兵庫県議・野々村竜太郎被告の初公判。被告人質問が具体的な行為の中身に及ぶと「記憶にございません」を連発したという▼初公判は昨年11月に予定されていたが、報道機関が殺到したという理由で〝ドタキャン〟。今回の裁判でも「収支報告書に虚偽の記載はしていない」と否定し、あいまいな答弁を繰り返した。揚げ句、裁判所に身柄を拘束された▼自分が過去に行った行為と向き合えず、聞かれても口をつぐみ、他者のせいにする。本人は記憶障害の可能性があると主張したが…。選挙で人を選ぶという行為の責任の重さが改めて身にしみる。函館・道南からこんな議員が出現しないことを祈る。(C)