臥牛山1月26日・じくじたる思い甘利大臣
「記憶が曖昧で、定かではない」「専門家を交えて正確に検証し、誠実に説明したい」▼甘利明経済再生担当相がトラブル解決の謝礼に建設会社から現金計100万円を直接受け取り、資金提供や接待で1200万円受けたと報じられた問題。歯切れの悪い答弁に、新年度予算を審議する今国会に波紋を広げた▼「記憶にございません」。40年ほど前、ロッキード事件の証人喚問で国際興業社主が連発したフレーズを思い出した。「記憶が曖昧」と肯定も否定もしない表現は、「昨日の晩ご飯は食べましたか」と聞かれた認知症の人が黙り込むこととは違う▼「首相にご迷惑を掛けて、じくじたる思い」と低姿勢だが、忸怩(じくじ)の忸も怩も「すっごく恥ずかしい」こと。自分がした行いを振り返って恥じる姿勢で、申し訳なく感じていることだ。厚かましい顔にもなお恥じの色が出る「顔厚忸怩」になったら見苦しい▼もめ事の仲裁に入り、見返りに違法な金を受け取ったのなら、それも現職大臣なら悪代官のよう。告発した建設会社の担当者は、録音やメモなど証拠を用意しているといわれる。野党は独自に「疑惑追及チーム」を結成、調査を始めた。今週の調査説明でどう弁明するのか。(M)