臥牛山1月17日・企業広告
年が明け、「あれもしなければ」「今年はこうしよう」と、いろいろ思いめぐらせていた。全国紙に載った見開き2ページ広告に、一気に冷水を浴びせかけられたような気がした▼ジョン・エヴァレット・ミレイの名作「オフィーリア」をモチーフにした宝島社の企業広告。オフィーリアに扮(ふん)した女優の樹木希林さんが印象的だった。右手に花を持ち、水の中で仰向けになっている。目を見開いたその表情は、とても穏やかだ▼「死ぬときぐらい 好きにさせてよ」がメーンコピー。「死について考えることで、どう生きるかを考える。若い世代も含めた多くの人々の、きっかけになれば…」。ホームページで企業広告の意図がこう説明されている▼このサプリメントがいいと聞けば試してみる。幾分言葉に抵抗感を感じる「終活」に、「エンディングノートは、このように書くんだ」と興味を持ったりもする。何かとせわしない▼「ひとつひとつの欲を手放して、身じまいをしていきたい」。コピーにはこうも書かれていたが、なかなかここまでの心境に至るには、遠いところにいる自分に苦笑いする。考えるきっかけになる題材を伝える。今年の目標をこう設定することにした。(Z)