臥牛山10月20日・伝統校11位の涙
正月恒例のスポーツイベントはいくつかあるが、とりわけテレビ視聴率の高いのが東京箱根間往復大学駅伝競走(通称・箱根駅伝)だろう。来年も1月2、3日に行われるが、15日、その事前ドラマが繰り広げられた▼その舞台は、今年の本選でシード権を得た以外の、出場10大学を決める予選会。各大学上位10人の合計タイムで競うのだが、今年は50大学が出場して競われた。10位なら晴れ舞台に立てるが、11位にはその場がない▼記録の発表は上位から始まり、10位が発表された瞬間、歓喜と悲嘆が交錯した。11位で涙を飲んだのは、87回連続、通算90回出場の実績を誇る伝統校、中央大学。明暗を分けた10人の合計タイム差はわずか44秒だった▼改めてスポーツの世界の厳しさを教えられるが、来年は数えて93回目。往路107・5キロ、復路109・6キロ…往復路各6人の走者がタスキをつなぐ。1人が走る距離は20キロ前後と長く、箱根の山登りも▼途中で失速する選手の姿、繰り上げスタートの光景は、観る方も辛い。なんとも過酷な舞台設定というほかないが、それ故に受ける感動も大きい。来年はどんなドラマが待っているのだろうか。演じるのは21大学(学連選抜含む)である。(A)