臥牛山12月3日・年金運用損
「年金不信」が若い世代を中心に強まっている。「このまま納め続けても本当にもらえるのだろうか」という不安は尽きず、国民年金の場合は自ら支払わないという選択肢ができてしまっている。そんな不信感をさらに増長させる出来事が▼国民年金と厚生年金の積立金を運用する、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が11月30日、今年7~9月期で7兆8899万円の損失を出したと発表した▼世界同時株安が影響しており、四半期の赤字額としてはリーマン・ショック(2008年10~12月期)の5兆6601億円を超える過去最悪の数字。その背景として報じられているのが運用比率の見直し▼昨年10月、GPIFは6割を占めていた国内債券を35%に減らし、国内外の株式比率を引き上げる措置を取った。これだと当然株式市場の動向が大きくものをいい今回は国内、外国株式とも巨額損失を計上した▼9月末までの収益は約45兆円といい、GPIFは「長期的視点で見てほしい」、厚生労働省も「今の年金額が減ることはない」と強調するが…。国民の大事な資産があまりにもグローバル化の波にのまれるのもどうなのか。まずは安定的な資産運用を第一に考えてほしい。(C)