臥牛山1月6日・原油安いつまで?
ガソリンスタンドの前を通りかかると、近年の状況からすれば目を疑うような安さが続いている。セルフスタンドでレギュラー1リットルで110円台を切り、灯油に至っては1リットル50円以下という店も▼冬の北海道を過ごす上で家計に優しい値段なのはありがたいが、こればかりはいつまで続くか分からない。産油国が多い中東情勢がさらに不安定になりつつある。サウジアラビアが3日、イランとの外交関係を断絶すると明らかにした▼イスラム教スンニ派の大国・サウジがシーア派の法学者を処刑したことに、シーア派のイランにあるサウジ大使館が暴徒に襲われたことの意趣返しとみられる。スンニ派のバーレーンもサウジに追随し、イランとの断交を発表した▼日本からはなかなか実情をうかがい知る余地もないが、両国の関係悪化がイスラム過激派組織「イスラム国」を利するとの指摘もある。そして両国ともOPEC(石油輸出国機構)の加盟国。先物相場は不安に対してとかく敏感なもの。原油価格の上昇につながりかねない▼遠い中東での出来事とはいえ、中国の経済状況も絡んで市民生活に直結する。しばらくは原油安が続きそうではあるが、敏感であるに越したことはない。(C)