臥牛山9月22日・歩くほど…
五稜郭公園などで朝や夕方、歩く人の姿をよく見かける。多くは中高年齢の人たちだが、健康を考えての運動だろう。歩くことは体にいい、とは漠然と理解しているが、その意義を学問的に示されると、説得力はさらに▼高齢になると、自覚の有無はともかく筋力が衰える。歩くと足の筋力を保て、気持ちもリフレッシュできる。何より無理のない適度の運動である。だから高齢者に推奨されるのだが、それを愛媛大学の山本直史准教授らの研究チームが裏付けた▼概要は読売新聞が報じていたが、その研究とは、歩くことと死亡リスクとの関係。16年前の当時71歳の417人に歩くことを依頼して行われ、その結果、常日ごろから言われていることが裏付けられた▼一日平均の歩数によって4グループ化し、10年にわたって追跡調査を行い統計学的に分析したところ、この間に亡くなった76人のうち、毎日8千歩以上のグループの死亡リスクが、4千5百歩以下のグループの約半分だったという▼一言で言えば、歩くことは健康寿命につながる、ということだろう。少しでも長く健康状態を維持したい…誰もが抱く思いだが、歩くことはその秘訣(ひけつ)の一つ。もちろん最初から8千歩以上を描く必要はない。(A)