臥牛山9月7日・いじめられ自殺
物思いにふける秋。悩みや心配ごとなどを一心に考え込む。「物思いにふけると、さびしいことばかり考えられます。希望の影も見失って、死のことさえ考えます…」(倉田百三「俊寛」)▼内閣府の調査では子どもの自殺が多いのは夏休み明け。過去40年で130人余に上る。今年も青森県の中学生男女2人が2学期が始まるのと前後して命を絶った。いずれも、いじめを訴えるメモを残して▼中2の女子生徒は、1年の時から無料通信アプリで悪口など嫌がらせを受けていたといい、始業式の翌日に自殺。スマートフォンに「生きて行けそうにないです」「許してください。もう無理です」と書き込んでいた▼中1の男子生徒が自殺したのは新学期の3日前。遺書とみられる書き置きに「いじめがなければもっと生きていた」と記し、いじめにかかわったとする生徒も名指し。6月にいすを蹴られるなど兆候があったという▼女子生徒は「悲しむ人もいないくらい生きる価値本当にないし、綺麗な死に方すらできないけど…」と続ける。生死の淵に立つ子どもたち。物思いにふける姿を見たら一声かけて必要な支援につなげ、見守る「ゲートキーパー」になることだ。10日から「自殺予防週間」。(M)