臥牛山1月1日・新時代到来
師走の小雪がちらつく中、新函館北斗駅前を歩いた。誰かの足跡を雪の下にうっすらと確認できたが、静寂に包まれ、開業後のにぎわいを思い描こうとしたものの、うまくいかなかった▼JR函館駅は外国人観光客とともに、Uターン客や出迎えの家族らで混雑。中国語などが飛び交うとともに、地元のイントネーションが心地よく響き、いつも以上に異国の雰囲気を感じた▼函館のブランド力は高い。人口は減り続けているが、民間シンクタンクの調査で魅力度は2年連続トップとなった。今年度上半期の観光客は増加、外国人宿泊者数も年間40万人台が現実的になっている▼シンボルの函館山一つとっても山岳信仰、高田屋嘉兵衛らの植林、要塞としての役割などの物語を持つ。さまざまな史跡があり、教会群があり、見る人に歴史を感じさせる。おまけに植物園には今年の干支(えと)のサルが温泉につかっている▼北海道新幹線開業で、恵まれた環境に大きな好条件が加わる。首都圏や東北と鉄路で速くつながるチャンスをどう生かし、広げていけるか。函館をはじめとした道南全体が地域の宝を見詰め直し、一体となってどうアピールしていくのか。新時代の変化を実感する1年でありたい。(Z)