臥牛山8月11日・カープと平和
リオ五輪や高校野球真っ盛りの中、某テレビ局がプロ野球日本ハム戦を中継する際に、テレビ欄の「縦読み」を楽しみにしている人も多いのでは。番組説明の左端を縦に読めば駄洒落やジョークがちりばめられており、10日は「球児たちに負けず一戦必勝で挑む!」であった▼71年前、広島に原爆が落とされた今月6日、地元局が広島カープの試合を中継し、テレビ欄に縦読みメッセージをしのばせていた。「今を戦前にさせない」。被爆地の局として、平和への願いや祈りが込められていた▼広島球団は長らく、8月6日に広島市民球場で主催試合を開かずにいたが、2011年に解禁され、「ピースナイター」と銘打って開いている。今年もボードを使って平和を訴えたり、選手たちが作った折り鶴を展示した▼広島県民にとってカープは特別な存在。原爆の焼け野原から立ち上がるために創設され、球団の経営難には、球場前の酒樽に市民が募金を投げ込んだ逸話がある。他球団以上に平和への思いも背負いながら、25年ぶりの優勝を目指している▼リオ五輪でも各種目で日本勢の奮闘が目立っている。それもまた、国が平和であってこそ。今年もまた、15日に71回目の終戦記念日がやってくる。(C)