津軽海峡フェリー(函館市港町、村上玉樹社長)は1日、10月にも室蘭市と青森市を結ぶフェリー航路(青蘭航路)を開設すると発表した。同社の函館―青森航路(青函航路)で運航する4隻のうち、「ブルーマーメイド」(8820トン)を転属させる予定。1日1往復の運航を計画し、道運輸局への申請を目指す。
北海道―本州間の貨物輸送のニーズ多様化に対応することが目的で、働き方改革関連法の施行による運転手の時間外労働規制強化「物流の2024年問題」をにらみ、トラックドライバーの休息時間を確保できる中距離航路の需要が伸びると判断した。青蘭航路の運航は、同社の前身の東日本フェリーの撤退した2008年11月以来、15年ぶり。
「ブルーマーメイド」転属に伴い、現在4隻で1日8往復運航する青函航路は3隻6往復に減便する見込み。同社は「ダイヤを見直し、お客様に極力ご不便をおかけしないよう工夫したい」としている。また、青函航路の船がドック入りした際は、青蘭航路を運休して「ブルーマーメイド」を青函航路に振り向け、3隻運航体制を維持する。
室蘭港と青森港を6時間45分~7時間で結ぶ。予定する運航ダイヤは、室蘭午後8時発―青森翌午前3時着と、青森午前9時発―室蘭3時45分着。室蘭港に支店を設け、トラックドライバーに加え、道南から道央方面を周遊する一般旅客の取り込みも図る。
室蘭発着のフェリー航路は、旧東日本フェリーの撤退後、川崎近海汽船(シルバーフェリー)が18年6月から宮古航路を運航したものの、需要が伸びず、22年1月に撤退していた。(神部 造)