JRグループの大型観光企画「青森県・函館デスティネーションキャンペーン(DC)」が1日から3カ月間、道南11市町と青森県を対象に展開される。両地域の魅力を全国に発信する好機で、青函の自治体や観光関係者らは、北海道新幹線開業効果を最大限に発揮しようと意気込んでいる。
JR函館支社は6月下旬から、函館朝市や開港通りなどの街路灯に青函DCのキャラクター「いくべぇ」などをデザインした歓迎旗を掲示。1、2日の両日には、函館、新函館北斗、木古内、奥津軽いまべつの4駅で、新幹線や接続列車などの到着に合わせて地元の郷土芸能やご当地キャラクターが乗客を歓迎する。
函館駅では、観光パンフレットやノベルティグッズの配布、ミス函館や和洋衣装によるお出迎え(2日のみ)などを実施。衣装を提供する函館和・洋モダン貸衣裳館(函館市豊川町)の真柄周二代表は「青函観光にとって、新幹線開業で全国から注目を浴びている今が一番大切な時。キャンペーンを生かして両地域の魅力をアピールしていきたい」と意気込む。
木古内町は6月30日、全国の人々の写真で道新幹線H5系車両をかたどった縦1・6メートル、横4メートルの巨大モザイクアートをJR木古内駅に設置した。このアート作品は、北海道観光振興機構(札幌)などが2015年、北海道新幹線開業を心待ちにする2000人の写真をつなぎ合わせ、製作したもの。町は「思いや夢がつまったモザイクを見て、新幹線に乗って青函交流をしたいと思ってもらえたらうれしい」としている。
11年の青森DCが東日本大震災の影響を受けた青森県内の観光関係者は「今回は最大限の効果を」と期待する。県観光ボランティアガイド連絡協議会は6月、青森市内でガイド研修を行い、受け入れ態勢を強化した。同協議会の新田純治会長は「笑顔で観光客をもてなしたい」と意気込む。
DC推進事務局を務める県観光連盟の石川隆洋理事は「DCを一過性のものにしないことが大事」と力を込める。リピーター獲得に向けて「青函圏に何度も足を運んでもらえるような魅力の発信方法を今後も続けていくことが必要だ」と話している。(金子真人、山田大輔、斎藤彩伽)