函館市内のホテルや旅館の宿泊料金を最大半額助成する「はこだて割」の予約が好調だ。15日から始まったが、早くも割り当てられた枠がすべて埋まった宿泊施設もあるという。実施期間は来年1月4日から3月末まで。新型コロナウイルス感染拡大で冷え込んだ観光需要の回復に期待が高まっている。
湯の川温泉街の花びしホテル(湯川町1)では27日時点で、予約可能枠の9割近くが埋まった。「受付開始以降予約が急増した。旅行者も(はこだて割の)再開を待っていたのでは」と宿泊・営業部の岡崎真介予約課長。「今シーズンこそは活気のある年始を迎えられそう」と話す。
JR函館駅前のあるホテルでは、予約開始日の15日から1週間にあった予約のうち全体の約3割がはこだて割の利用で、多くが道内客だという。担当者は「出だしとしては好調。例年、年末年始はその先の予約が鈍化するが、今年はコンスタントに予約が来ている」とする。
はこだて割は、感染状況を考慮し前回は市民限定としたが、コロナ禍が落ち着いた状況での再開を模索。今回は対象を国内全地域に拡大し、観光客が比較的少ない冬季の誘客に生かす狙い。
1人1泊3000円(前回は5000円)以上の宿泊に対し、1万円を上限に宿泊料の半額を市が補助する。また交通費を含む1万円以上のパッケージ旅行には1泊5000円を助成。いずれも3連泊までで、事業費予算は6億7000万円、延べ15万人泊分の利用を見込む。今後再開予定の国の「GoToトラベル」との併用も可能で、利用者はワクチン接種済証明書かPCR検査の陰性結果通知書の提示が必要となる。
市によると、ホテルや民泊、旅行会社やOTA(宿泊予約サイト)など160の事業者が参加。市観光誘致課は「多くの事業者からは好調と聞いている。観光需要回復の一助となれば」と期待を込めた。(小杉貴洋、飯尾遼太)