【七飯】JR北海道は25日、函館新幹線総合車両所(七飯町飯田町)内の函館新幹線運輸所(前川秀博所長)で、北海道新幹線に乗務する運転士や車掌が異常時の対応などを学ぶシミュレーターを報道機関に公開した。
シミュレーターは運転士や車掌が異常時に、適切、迅速に対応できる技術を身に付けるため、昨年11月に同運輸所に導入された。シミュレーターには運転士が訓練するための模擬運転台や、車掌のための模擬車体などがあり、パンタグラフの異常やブレーキの故障など、車両故障を想定した約120項目のほか、青函トンネルでの車両火災、線路内に人が立ち入った場合など、駅停車中や走行中に発生しうる異常を想定した訓練などを行うことができる。
訓練では道新幹線が新函館北斗駅を出発後、7号車で客室の空調などに関係する補助電源装置が故障したと想定。運転士が模擬配電盤を操作し、復旧させる様子などが公開された。同社は「こうした訓練を通じて道新幹線輸送の安全確保にしっかりと取り組んでいく」としている。同社によると運転士は32人(うち指導員3人)、車掌は20人(同2人)おり、一定程度経験を積んだ乗務員を対象に、応用力を鍛える訓練として年2回実施していくとしている。(野口賢清)