函館市電の2月の乗客数は前年同期比14・3%減の35万8064人(速報値)だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、特に中旬からの減少幅は日に日に増え、週末には前年に比べ3割減を記録する日もあった。3月は例年、卒業旅行で需要が高まるが「2月の比ではないくらいの減少が予想される」(市企業局交通部)と、関係者は危機感を募らせている。(小杉貴洋)
胆振東部地震の「ふっこう割」の利用が好調だった前年に比べ、1月は44万9978人(速報値)と微減だったものの例年並みを維持。しかし、2月は新型コロナウイルスの流行とともに利用者は日を追うごとに激減し、週末には前年に比べ25~30%減った日もあった。
3月に入ってからの週末はさらに深刻で土日は5割減となることも少なくなかった。例年だと卒業旅行を中心に観光客の利用が増え50万人を超しているが、今年は皆無に近く、休校で学生利用も見込めなかった。昨年度の乗客数は2月末までに520万人に上っており、目標の550万人まであと一歩だった。3月の乗客数は今後明らかになるが、市交通部事業課は「大幅減少は否めない。この状況では仕方ないが、早く収束してほしい」とする。
同部は乗務員のアルコール消毒やマスクの着用徹底、停留所では前後のドアを開けて換気、定期的な車内の消毒などで感染予防に努めている。「通勤や買い物などで利用する市民に支えられている。今後も安全運行を心掛けていきたい」と話している。