道南いさりび鉄道(函館市若松町、小上一郎社長)は17日、旧国鉄時代の急行形塗色を再現したキハ40系気動車の運行を開始した。クリーム色の下地に窓回りなどを赤色で塗り分けた車両で、沿線の風景に懐かしくも新たな彩りを添えている。
急行形塗色の車両はかつての江差線や松前線など道内各地を走った急行や普通列車で使用された。いさ鉄での国鉄カラー再現は、昨年6月にデビューした「旧国鉄首都圏色」の車両に続く2両目。同日午後2時4分函館発上磯行きから運行開始となり、折り返し後の函館と木古内間往復の車内では乗客に記念乗車証も配られた。
上磯駅前で友人3人で車両の到着を待った胆振管内白老町の会社員、大槻英喜さん(45)は「塗り替えたばかりなのできれい。よく走っていた車両の色なので久々に見て懐かしいなと思った」と話した。
同社の勝又康郎経営企画部専任部長は「キハ40が登場した頃は、この塗色の急行が全盛期だった。昔を懐かしんで多くの人に乗ってもらいたい。沿線での写真撮影、グルメも楽しんでほしい」と話していた。(今井正一)