格安航空会社(LCC)のバニラ・エア(千葉県成田市)が運航する函館ー成田線が来年3月で運休する見通しであることが11日、分かった。目標とする年間85%以上の利用率を達成できず、収益の確保が難しくなったことが要因とみられ、就航からわずか2年で運休となる。
同社企画部門の管理職が12月上旬に市を訪れ、利用率の伸び悩みから、来年3月下旬で運休する方針を伝えた。来年10月下旬までの夏ダイヤで運航計画はなく、その後の見通しに関して言及がなかったという。
同路線は函館空港初の国内LCCとして、2017年2月に就航。観光需要のピークとなる8月は昨年が87・0%、今年が89・8%と目標をクリアした一方、70%以下に落ち込む月もあり、年間利用率は昨年が77・7%、今年は10月までで76・6%にとどまっていた。
同路線を巡っては、成田で国際線を乗り継ぎ、函館を訪れる海外客の利用もあったことから、観光への影響が懸念される。函館ホテル旅館協同組合の遠藤浩司理事長は「正式発表だとすれば、成田線を利用していた国内の若者、女性を中心とした客を失うことになり、大きな損失だ」と肩を落とす。
同社広報は「現段階ではまだはっきり決まっていない」としている。(山田大輔)