19日に函館港に入港したプリンセス・クルーズ社(米)の豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」(11万5906トン)で、船体に「北海道の復興を応援しています We are with you、Hokkaido」と記して掲げた横断幕が、函館市に寄贈されることに決まった。函館への寄港数が32回を数える同船が、〝函館愛〟を示した計らいに市も感謝の意を示している。
横断幕は幅約20メートル。余白には、同日の乗客と乗組員が「GOD BLESS HOKKAIDO(北海道に神のご加護を)」などとつづった応援メッセージがびっしりと書き込まれている。
三菱重工長崎造船所によって2004年に建造された同船は14年以降、毎年函館に寄港を続けている。この日、ジェナロ・アルマ船長は「ダイヤモンド・プリンセスは日本で生まれ、北海道に育ててもらった船。困っている時に何もしないことはあり得ない」と話し、道民を励ますメッセージを書いた横断幕を左舷に掲げ、入港した。
胆振東部地震が発生した6日も函館への入港を予定していたが、道内全域が停電となった影響で取りやめとなっていた。復興を後押ししようと、すぐに同社の日本オフィスから市に支援の申し出があったといい、市港湾空港振興課は「気にかけてもらい、大変ありがたかった」と振り返る。
同船は25日に横浜を出港し、釧路、サハリン、小樽を経て10月1日に函館へ今シーズン最後の寄港を果たす。横断幕は函館入港後、市の関係者に贈られる予定。(山田大輔)