台湾の航空会社・エバー航空は14日、函館―台北(桃園)でのチャーター便の運航を開始した。新型コロナウイルスの影響を受け2020年3月から定期便を運休していたが、台湾の旧正月(春節)に合わせ約5年ぶりに実現。函館空港国際線到着ロビーでは、市職員や観光関係者ら約20人が歓迎横断幕を手に乗客を出迎えた。
チャーター便の運航スケジュールは18、22、26、30日、2月3日の合計6往復で、所要時間は約3時間半~4時間半。市は路線再開のため、23年度に大泉潤市長によるトップセールスを行ったほか、今年度も同社日本支店との調整を継続していた。
午後1時40分ごろ、台北発174人が搭乗したエアバス社のA321―200(184席)が到着すると、関係者は到着ロビーで乗客を歓迎。法被を身にまとった市職員は手ぬぐいや温泉のもと、パンフレットなどのセットを手渡し地域の魅力をアピールした。市港湾空港振興課は「函館のインバウンドの主力である台湾人観光客数は、まだピーク時には戻っていない。多くの人に地域の冬観光を楽しんでもらうとともに、定期便の再開を目指したい」としている。
また、道南の観光関連事業者でつくる「箱館会」のメンバーは、中国語で「函館へようこそ」とメッセージを伝える横断幕を用意。函館観光イメージキャラクターの「エキゾーくん」も駆け付け、記念撮影に応じていた。同会はクルーズ船が函館港に入港した際なども利用客をもてなす活動を続けており、渡部十月哉幹事長は「観光客の満足度を高め、リピーターにつながれば」と期待を込めた。
乗客の多くは大型のスーツケースを手に大型バスに乗り込み、市内や札幌方面に向かった。家族4人で訪れた製造業の陳重銘(ベン・チェン)さん(42)は「函館に来るのは2度目。金森赤レンガ倉庫や朝市、五稜郭を観光する予定で、札幌や小樽にも行く」と笑顔を見せた。(竹田 亘)