湯の川プリンスホテル(河内昌貴社長)と公立はこだて未来大(片桐恭弘学長)は、ホテルのサービス向上と各種業務の改善に向け、人工知能(AI)導入に向けた共同研究を開始する。今年度中に同社が運営する湯の川プリンスホテル渚亭(函館市湯川町1)で実証実験を行い、来年度にも本格的な導入を目指す考えだ。
両者は7月20日、AI技術を活用し、スタッフの最適な配置や食材ロスの削減を目的とした共同研究契約を締結。今年度は未来大のAIを使った室内位置計測技術や画像認識技術などと、同社が持つスタッフや従業員の過去データを使い、実用化に向けた検討を進めていく。
具体的には、室内位置計測技術や、宿泊者数、天気、時間帯などのデータを基に、それぞれの状況に応じたスタッフの適切な配置や、ビュッフェ形式のレストランで品切れや作り過ぎを防いで食材ロスの削減などを図る。
未来大は2017年4月に道内の大学で初の人工知能研究拠点「未来AI研究センター」を開設。湯の川プリンスホテルも4年ほど前から情報システムに関する部署を設け、スマートフォンを業務に活用するなどIT化に力を注いでいる。
河内社長は「スタッフとお客さまとのコンタクトをいかに増やしていくかが重要と考えている。AI技術を導入することでスタッフ配置の最適化などを図り、これまで目が行き届かなかった部分を解消していきたい」と話している。(金子真人)