函館市に商品開発拠点を構える、ナカ電子(中嶋俊一社長、本社=東京)は、函館市内で出土した国宝「中空土偶」をかたどったフィギュアを製品化し、市縄文文化交流センター(臼尻町)で販売を開始した。中嶋社長は「3Dプリンターからのデータに基づき、精密に再現した自信作。観光客のみならず市民にもぜひ手に取ってもらいたい」と話している。
電子製品メーカーである同社は、2015年に函館市産業支援センター内に開発拠点を設け、自社の技術を活かした土産品開発などに取り組んでいる。
中空土偶をモデルにした製品開発は、函館市から要請を受けた。中嶋社長は、土偶のレプリカから3Dプリンターを使って取り出したデータを基に、市内の模型製造メーカー「グレイスモデル」(杉並町)に設計と製造を依頼した。
特殊アクリレート樹脂による全長6センチのフィギュアが完成。優美なくびれが特長的なプロポーションを完全再現した。
中嶋社長は「写真や展示では見ることができない様々な方向から、中空土偶の魅力に触れることができる。観光の思い出にはもちろん、子どもたちの学習用にも活用してもらいたい」と話す。将来的には13センチや20センチのサイズの開発も目指す。
価格は税込み990円。現在は市縄文文化交流センターのみでの販売だが、今後は市内の土産物販売所などでも扱う予定だ。(小川俊之)