【北斗】北海道新幹線開業で結ばれた道南と青森の連携を図る「第5回青函地域経済活性化フォーラム」が28日、北斗市総合文化センターかなでーるで開かれた。訪日旅行客の受け入れ環境、バスやフェリーなど新幹線の二次交通について意見を交わした。
函館、青森の両財務事務所の共催。青函圏の観光、金融機関、行政の関係者約50人が出席し、6人が事例発表した。
道運輸局函館運輸支局は訪日旅行者向けの課題として、キャッシュレス決済環境の整備を挙げた。小樽の約50店舗が中国人向け決済を導入した実証実験に触れ、呉憲一郎主席運輸企画専門官は「客単価が1・5倍、中国人観光客の売上比率も高まった」と成果を強調した。
津軽海峡フェリーは、青函圏で訪日客向けに提案する自転車周遊観光を説明。高橋俊介社長室長は「16~18年に台湾や香港などから62人が滞在した。小規模なの受け入れなので、地域に直接お金を落とせる」と語った。
青森側からは、県観光連盟が7月から始まるJR2社による青函観光キャンペーンなどを紹介。青森大社会学部の櫛引素夫教授は「開業効果は一過性だが、土産品パッケージの改善など地域自体がバージョンアップしていくことが新幹線の効果だ」と語った。
続いて、案内の多言語化の状況やキャッシュレス決済導入の効果をテーマに意見交換し、閉会した。(深津慶太)