道立工業技術センター(三浦汀介センター長)の研究成果発表会が23日、フォーポイントバイシェラトン函館で開かれた。食関連4件、ものづくり関連4件の計8件が発表され、来場者約180人が理解を深めた。
食産業技術支援グループなどによる「スラリーアイスの冷却効果を利用した冷凍刺身商材の開発」に関する発表では、スラリーアイス(海水や食塩水を氷点下1~同2・5度に冷却したシャーベット状の氷)が予備冷却に有効なことを説明した。
実験ではシロザケの背肉を真空包装し、予備冷却してからマイナス20度で保管した場合の品質評価を実施。同グループの吉岡武也さんは「予備冷却したものは組織の氷結晶が小さく、解凍後のドリップが軽減された」と強調した。
これらを踏まえ、シロザケやブリを原料とした冷凍刺身商材の開発に挑戦。飲食店などでのサンプルワークの結果、「新鮮さが評価され、全国のホテルチェーンなどへの出荷が始まっている」とした。
別グループによる「春採り真昆布の健康機能性」に関する発表では、函館真昆布を使った「ヘルシーDo」(道食品機能性表示制度)認定製品開発への活用法を模索。マコンブをボイル乾燥することで、ヒトを対象とした健康機能性の効果が認められる成分を、効率的に摂取できることがわかり、今後の商品開発に寄与していくことなどとした。(野口賢清)