中米コスタリカ・アテナス市の文化大使を務める函館市在住の田中桜子さん(59)が、アテナス市で開かれる日本文化を紹介するイベント「コスタリカ―ジャパン・ピースフェスティバル」(来年2月15~17日)に向け、日本から出展する人たちの渡航費用などをインターネット上で募るクラウドファンディングを実施している。
田中さんは、アテナス市の提携農園で自然栽培したコーヒー豆を輸入・販売する「グリーンパティオ」(海岸町)を経営している。田中さんが今年8月、同市の副市長と会談した際、北海道命名が同市の誕生と同じ150年の節目だと伝えたことで、今回の企画が実現した。
イベントはアテナス市が主催。市内の公園にテントやステージを設置して日本の文化を紹介するほか、コスタリカの伝統音楽やダンス、現地日本語学校の生徒による空手のパフォーマンスなどを繰り広げる。
日本からは、田中さんのほかに、札幌のアイヌ文化伝承者の島崎直美さん、青森の舞踏家の福士正一さん、東京の呉服問屋「真じま着物」の真島光平さんらが出席。舞踏や日本食の紹介、浴衣の試着体験などを実施する。
今月末まで、クラウドファンディングサイト「Kanatta」(https://kanattaーlady.jp/)で、イベント出展者や通訳の渡航費用の寄付を募っている。
23日午後5時からは、「グリーンフォーレストカフェ」(海岸町)で、「ラテンクリスマスディナー&オークション」を開催。コスタリカの伝統料理やコーヒー、ワインが楽しめるほか、アイヌ工芸家の山崎義郎さんによる首飾り「タマサイ」やコスタリカの工芸品などを出品するオークションを実施し、収益金をイベントの資金に充てる。定員20人、申し込みは同店(0138・41・1885)へ。
田中さんは「ともに奥ゆかしさを持つコスタリカ人と日本人が理解し合えたら世界で最高のパートナーになれると信じている。平和を願う両国の人たちの思いを形にできるようなイベントにしていきたい」と話している。(金子真人)