【鹿部】町宮浜の水産会社「海鮮商店」(木元貴光代表)は、4月中旬からミズダコの頭をうどんのように切った「たこうどん」を販売している。発売から1カ月ほどで300袋以上を売り上げ、SNSでも話題の人気商品になっている。(北川隼夢)
鹿部町の前浜にはミズダコのエサとなる貝類やウニなどが豊富にあり、通年安定して水揚げされている。ミズダコは全国各地へ出荷しているが、多くは足の部分で、頭には価値が付かず地元の人が消費するか捨てられているのが現状だった。
新型コロナウイルスの影響で町内の水産業もダメージを受ける中、同社は地元の活性化を図るために新商品の開発を検討。木元代表は2年ほど前から「イカそうめん」に似た商品をタコでも作ろうと考えており、今年3月ごろから本格的に商品化を進めてきた。
たこうどんは前浜の活ダコの頭を塩もみした後、独自の製法で釜茹でし、食べやすいサイズに切った商品。ホタテの貝柱とイカ、タコを合わせたようなしっとりやわらかな食感で、ミズダコ本来の甘さとほのかな塩味が楽しめる。販売は冷凍状態だが、自然解凍をすれば刺し身で食べることができるほか、炊き込みご飯やカレーの具材などにも利用可能だ。
メーカー希望小売価格は1袋(200グラム)600~900円。道の駅「しかべ間歇泉(かんけつせん)公園」や町内のスーパー「小板商店」などで扱い、ふるさと納税の返礼品にもなっている。
営業マーケティング部の久保優太部長は「鹿部町のおいしいミズダコから作った商品で、さまざまな食べ方を楽しめるので、ぜひ一度味わってもらいたい。鹿部町の道の駅で販売している『天然白口浜根昆布だし』と一緒に食べるのもお薦めです」とPRする。問い合わせは同社(01372・7・3254)へ。