【七飯】道南で35年ぶりに日本酒造りを始めた「箱館醸蔵」(町大中山1)は24日、新銘柄「郷宝」の一般販売を始める。道南の気候風土を生かした、うま味豊かな「淡麗旨口(うまくち)」の酒に仕上がっており、待望の地酒が一般流通する。
同社は2月中旬から新たな酒蔵で日本酒の製造を始め、一般販売は道南の酒販店を中心に、札幌や帯広など道内の一部酒店でも扱う。酒蔵に併設した直売所(午前10時~午後5時、無休)でも販売する。
町内産の酒造好適米「彗星」を使った純米吟醸酒(2200円)、特別純米酒(1980円)、純米酒(1540円)、「吟風」を使った特別純米酒(1980円)、純米酒(1540円)の5種類。加水した生酒で、アルコール度数は16度。四合瓶(720ミリリットル入り)で1万本を出荷する。
同社取締役の冨原剛さん(43)は「多くの人が待っており、数量は足りないぐらい。まだまだ伸びしろのある酒で、今後に期待してほしい」と話す。杜氏(とうじ)の東谷浩樹さん(52)は「この日に向け頑張ってきたので感無量。たくさんの人に楽しんでもらえたら」と笑顔を見せる。
同社は一般販売に先駆け、2~4月に生原酒を返礼品にしたクラウドファンディング(CF)を行い、応援購入総額は2340万3000円、応援者は1694人に上った。(山崎大和)