食品会社「カドウフーズ」(函館市追分町、嘉堂聖也社長)のスイートポテトケーキ「白い半熟スイートポテト」(300グラム入り1080円)が、農林水産省主催の食のコンテスト「フード・アクション・ニッポンアワード2020」の入選100産品に選定された。地元農産物を使い、手作りの良さを生かした逸品で、同社は「入賞を機に販路をさらに拡大し『はこだて雪んこ』に続く期待の星に」と意気込んでいる。
白い半熟スイートポテト(冷凍品)は、2019年12月に販売を開始。熟成した厚沢部町産サツマイモ「黄金千貫(コガネセンガン)」を原料に、函館牛乳なども使い無添加。手作りすることで風味を逃さず、柔らかい食感と喉越しの良さが特長。中段に生クリームを挟んでおり手間は掛かるが、軽い食感に仕上げている。サイズは縦13センチ、横7センチ、高さ4・5センチ。同社工場で1個ずつ手作りするため、1日に200個が限度という。
昨年春の観光シーズンから函館の観光施設で販売する計画だったが、新型コロナウイルス禍が直撃。現在は物産展やネット通販で販売するほか、同社1階の移動販売車「嘉福堂キッチン」で扱う。体に優しい菓子として徐々に人気が高まっている。
同社は、アワード2019で「はこだて雪んこ」とレトルトジャガイモ「もう、ゆでちゃった」の2品をエントリーしたが、入選はできなかった。今回2度目の挑戦で念願の入選を果たした。道南では唯一。
アワードでは、審査委員の国内の大手百貨店、流通、外食事業、リゾートホテル事業などのトップ10人が一つ一つの産品を育てた作り手の思いやストーリーを基準に選定。一次生産物、調味料、加工食品、菓子類、飲料の5カテゴリーに1019産品の応募があり、白い半熟スイートポテトは菓子類に応募した。
嘉堂社長(43)は「現場で物づくりに励む人たちのやりがいになる。黄金千貫の消費にも貢献できる。今回は審査委員が特に注目すべき産品を選定する『受賞産品』『特別賞産品』には届かなかったが、まだ発展・成長の余地があるという意味で、より良い商品づくりにまい進したい」と話す。「当面は物産展を主力に、地元の観光施設が通常営業に戻れば、販路拡大に力を入れていきたい」とも強調している。(山崎大和)