函館五稜乃蔵(亀尾町、漆崎照政社長)は、函館短大付設調理製菓専門学校(山本仁志校長)と連携し、日本酒「五稜」の酒かすを使った商品開発に取り組んでいる。同校は来年3月末で閉校となることから、漆崎社長(71)は「今年度内に商品を完成させたい」と意気込んでいる。
これまで五稜乃蔵では日本酒の醸造過程で出る酒かすを使い、イカやタラ、サケのかす漬けなどを販売。今回、酒を飲まない人にも手に取ってもらえる商品展開を目指し、新たな商品の開発に乗り出した。
企画は10月ごろから始動し、レシピの考案は産学連携組織「クリエイティブネットワーク」を通じて、同校と連携。11月29日に同校で試食会があり、漆崎社長や市の担当者が参加した。
レシピは吉田徹教頭(74)が手掛け、イカのかす漬けを使い、ケイジャンスパイスで仕上げたピラフやサケのかす漬けのムニエルなどが振る舞われ、味を確かめた。試食した漆崎社長は「酒かすを入れると味がまろやかになり、(素材として)威力がある。使い方はたくさんありそう」と手ごたえを感じていた。
この日は、2015~18年に同校が青森県の弘前大食料科学研究所と共同で開発を進めたカシス料理の経験から、カシスジャムと酒かすを使った甘酒も提案。吉田教頭は「カシスを生かすチャンスと考えた。世間に受け入れてもらえ、日の目を見るような商品が開発できたら」と話していた。(飯尾遼太)