丸井今井函館店(函館市本町)は、約20年前に閉店した6階のファミリーレストランの定番メニュー「丸井めん」の復刻プロジェクトに取り組んでいる。老舗レストラン・五島軒(末広町)が協力し、懐かしの味を知る従業員の証言を基に完成にこぎつけた。同店本店のレストラン雪河亭で、15~31日の期間限定で提供する。
1969年、丸井今井函館店が末広町(現・市地域交流まちづくりセンター)から本町に移転し、今年で55周年を迎えることを記念した企画の一環。丸井めんは塩味をベースにエビやハクサイ、キクラゲなどの具材を入れた溶き卵のあんかけを乗せたラーメン。起源は1940年代ごろとされ、以前から「丸井めんをまた食べたい」という復刻を望む声が聞かれていた。
丸井めんに関しては発行年代不明の社内報で紹介されているものの、レシピや写真など資料は残っておらず、当時の味を知る従業員の記憶を頼りにレシピを構築。今年創業145年で共に節目を迎えるなど縁の深い五島軒が協力し試作。スープのだしには五島軒特製のチキンブイヨン、麺は日の出製麵の中太ストレート麺を使用。約30年前に食べたことがある総務人事マネジャーの杉本敦さん(54)は「試作を重ねるごとに記憶の中の味に近づいていった。五島軒の技術もあり、進化した味になっている」とPRする。
1日20食限定で、1杯税込み1430円。丸井今井の歴史を紹介するランチョンマットに乗せて提供する。食べた人にはアンケートを実施し、丸井めんに関する情報を収集。客の反応を見て再販売も検討する。レストラン雪河亭の営業時間は午前11時半~午後2時半、午後5時~8時。火曜定休。(飯尾遼太)