函館五稜乃蔵(函館市亀尾町)と函館高専が共同開発の酵母で醸造した地酒の第一弾「特別純米 菜の花酵母」が完成し、15日、同酒蔵併設のショップなどで発売される。漆崎照政社長は「蔵、米、酵母、デザインとも『オール函館産』の地酒で、われわれの思いが実った」と胸を張る。
「菜の花酵母」は、同高専の小林淳哉教授らが市内に自生する菜の花から分離し、同酒蔵内の「高専ラボ」で、地酒醸造への応用の実験を進めてきた。酒米は亀尾産の「吟風」を使用して昨年11月から醸造に着手した。
ラベルデザインは高専生から募集し、2年の岩館楓音(かのん)さん(17)のデザインが採用された。
川端慎治総杜氏は仕上がりについて「酸味が際立つ、キレのある風味」と評する。
小林教授は「菜の花酵母」で醸造した待望の地酒を手に「長年の夢が実現した。たくさんの人に味わってもらいたい」と話し、製品化に尽力した川端総杜氏や森糸一弘副杜氏、同高専技術職員の酒井涼香さん(27)ら関係者に感謝の思いを表した。
720ミリリットル瓶で税込み2200円。市内外の特約店などで3000本を限定販売する。(神部 造)