はこだて雇用創造推進協議会(代表・谷口諭市経済部長)が取り組む新商品開発事業の商品化第1号として、地場産のマコンブをふんだんに使用した「昆布たっぷりのだしパック」が、海藻加工を手掛ける函館ひろめ堂から発売された。市販の商品と比べてコンブのうまみ成分が8倍以上含まれているのが特徴で、オリジナルのロゴマークを施し、函館ブランドとして売り込みを図る。
同事業は、地域資源を活用した商品作りを目的として昨年7月にスタート。同協議会から委託を受けた函館地域産業振興財団が同社と共同で、コンブの配合割合や粒の大きさなどの検討を重ね、うまみ成分であるグルタミン酸を最大限に引き出す技術を確立。5月に函館市内で開かれたセミナーで試作品を披露した。
一般的なだしパックに含まれるコンブの割合が5%程度であるのに対し、新商品は函館産のマコンブを30%使用しているのが特徴。化学調味料や食塩、砂糖は使わず、静岡県焼津産のかつお節と合わせて、バランスの良い風味に仕上げた。
パッケージには「函館真昆布」と記したロゴをデザイン。函館を象徴する「巴」とコンブの語源となっている布をモチーフとし、五稜郭になぞらえて五角形となるよう文字を配置。マコンブを素材とした商品を扱う地域の企業もロゴを使用できるようにし、ブランド化を図る考えだ。
3月に東京で開かれた「健康博覧会」に出品した際に行ったアンケート調査では、試飲した来場者の9割以上から高い評価を得たといい、同財団の小西靖之研究主査は「コンブの割合をもっと増やしてもだしとして奥行きが出せるよう、さらに研究を重ねたい」と話す。
1袋5パック入りで756円(税込み)。22日から道外の自然食品店などで先行販売しており、9月から函館市内の土産店などでも取り扱う予定。函館ひろめ堂の成田幸大専務は「だしはすそ野が広く、さまざまな食材と掛け合わせが楽しめる。今後は種類を増やし、ギフト商品としても提供できるようにしたい」と意気込む。問い合わせは同社(☎0138・34・2570)へ。(山田大輔)