【江差】町の老舗和菓子店、五勝手屋本舗(本町38、小笠原敏文社長)は13日から、約半世紀前まで原材料に用いていたインゲン豆「紅金時(べにきんとき)」を使用し製造した、復刻版丸缶ようかん「かつて」の販売を開始する。8000本限定。
2016年から活動する町の活性化組織「一×二×三(いちにのさん)業懇話会」が、復刻ようかんの製造を目指し、19年から町内北部地域で紅金時の栽培を始めた。栽培を重ね21年2月には、400本の復刻版丸缶ようかんの製造に成功。200本は町内保育園や高齢者施設に配布し、残りの200本は町内外から幅広く希望者を募り、抽選でプレゼントした。
昨年、同会の農業者4人が生産を引き継ぎ、529キロを収穫。問屋を通じて同社が一部を仕入れ、一般販売用の商品が出来上がった。
現在の製造過程では蒸気釜を使用するが、当時は焦げやすいガス直火の釜を使用。製造環境での仕上がりの違いを擬似的に再現するため、砂糖の一部をあえて焦がし、練り時間を長くするなど工夫。ラベルも当時のデザインのものを使用した。
小笠原社長によると、通常販売の丸缶ようかんに比べ「砂糖のこくがあり、濃厚な仕上がり」という。1本103グラム入、378円(税込み)。本店とオンラインストア=二次元コード参照=などで取り扱う。
また同日、インゲン豆「大正金時」を使用した通常商品を「いま」(税込み、324円)として展開、大正金時よりも収量が多いなど優れた特性のインゲン豆「秋晴れ」を使用し未来の丸缶ようかんをイメージし製造した「これから」(税込み、378円)の販売も開始する。問い合わせは同社(0139・52・0022)へ。(入江智一)