みちのく銀行は10月に発足40周年を迎える。4日にききょう支店を移転新築オープンさせるなど、函館地区を「青森県と並ぶ地元」として位置づけ、力を入れている同行の高田邦洋頭取(59)に今後のビジョンなどを聞いた。(聞き手・山田大輔)
――移転新築したききょう支店の役割は。
住宅地が拡大している桔梗地区のニーズに応えるため、店内には住宅ローンセンターを配置しました。旧支店のあった流通センターのお客様も大事にしながら、北海道新幹線開業で高まりつつある金融サービスへの需要にしっかりと対応したいと考えています。
――7店を展開する函館の位置付けは。
函館は地元青森県と同様、重要なエリアで、中期経営計画でも函館戦略として打ち出しています。快適に利用してもらうための店舗整備と人材の配置には特に力を入れています。また、函館マラソンへの協賛など地域貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
――道南の現状をどうみていますか。
どの地域にも言えますが、特に道南は人口減少による地域経済の縮小が大きな課題です。ただ、食など観光資源が豊富で、外国人旅行客が増加するなど伸びしろが大きいエリアでもあります。人口減に立ち向かうためには、青函が連携を果たし、成長することが必要ですが、当行がその架け橋となり、お手伝いをしたいと考えています。
――今後のビジョンは。
40周年を迎えるにあたり、中小企業の皆様の声をもう一度しっかりと聞き、地域のお客様に近い銀行を目指そうと「パートナーシップ宣言」を策定しました。青函のリーディングカンパニーとして、当行には両地域の成長を促す責任があります。地域の方々や企業の話をとことん聞く姿勢を徹底し、豊富な金融サービスを提供することで、地域経済の発展に寄与していきたいと思います。
【略歴】たかだ・くにひろ 1957年青森県生まれ。日本大学法学部卒業後、81年にみちのく銀行入行。小柳支店長、経営企画部長などを経て2013年6月から現職。趣味は読書で、歴史小説を愛読。