札幌国税局は1日、相続税や贈与税の課税基準となる2016年分の土地の路線価(1月1日現在)を発表した。函館税務署管内の最高路線価(1平方メートル)は函館市本町の道道函館南茅部線通りの丸井今井函館店前で、前年比横ばいの14万5000円。北海道新幹線開業の効果が現れているとは言えない結果となった。一方、道内の平均額は札幌市中心部の好調がけん引し、前年より0・8%上昇、8年ぶりにプラスに転じた。
道内30税務署管内の最高路線価は、函館など11税務署が前年と同額。上昇は札幌中、北、南、西など8署で前年より3署増えた。下落は八雲、江差を含む11署で前年より1署増。
函館税務署管内は昨年7年ぶりに下げ止まり、今回も横ばいだった。函館市新川町の不動産鑑定士、景澤周平さん(景澤不動産鑑定事務所)は「開業効果で路線価に直接的な影響は出ていない。丸井前の旧グルメシティ五稜郭店跡地に複合ビルを建築しており、外部的なプラス要因はあるが、まだ様子見の段階ではないか」と指摘。「開業後、観光客が堅調な伸びを示しており、高額な土地取引も若干見られるので、来年はプラスとなる可能性を秘めている」とする。
江差税務署管内の最高路線価は江差町本町の道道江差停車場線通り(五勝手屋本舗前)の2万5000円で、下落率は前年よりも0・1ポイント増えて3・8%。八雲税務署管内は、八雲町本町の道道八雲北桧山線通り(渡島信金八雲支店前)の2万7000円で、下落率は0・2ポイント拡大し3・6%。
路線価が道内で最も高かったのは、札幌市中央区の道道札幌停車場線通り(札幌ステラプレイス前)の312万円で、前年を11・8%上回った。後志管内倶知安町山田の道道ニセコ高原比羅夫線通り(ホテルニセコアルペン前)は上昇幅が全国最高の50%だった。(山崎大和)