函館商工会議所(久保俊幸会頭)は22日、新型コロナウイルスで疲弊する地域経済への緊急応援策として、函館朝市とはこだて自由市場、中島廉売の3市場で使える利用券5000円分を、抽選で計800人に配布すると発表した。コロナ禍で多くの店や企業が苦しむ中、まずは観光客を中心に買い物客が激減している3市場の支援に乗り出す。
新型コロナウイルス対策としては利子補給制度に続く施策。
利用券は500円券を10枚つづりとし、抽選で一人に対し5000円分を配布する。利用券が使える市場は券ごとに指定されており、応募者が選択することはできない。当選者は送付された利用券を明記された市場でのみ使用できる。
用意した券は函館朝市が400人分、はこだて自由市場が240人分、中島廉売が160人分の総額400万円分。函館朝市や中島廉売では券が利用できない一部店舗もあるため注意が必要。
希望者ははがきに住所と氏名、連絡先を明記のうえ、〒040・0063、函館市若松町7の15、函館商工会議所「函館の市場応援!」係宛てに応募する。対象は渡島・桧山管内に住む20歳以上の人。応募締め切りは5月6日で同日消印有効。当選は1人1セット限りで、同一住所は1人として数える。同会議所は応募締め切り後、8日前後に抽選を行い、13日前後には当選者へ届くようにしたいとしている。
函館朝市協同組合連合会によると、新型コロナウイルスの影響が表れ始めて以降、会員の中には売り上げが前年と比べ9割減にまで落ち込んだ店もあるといい、各店舗の維持が危ぶまれている。同会議所は緊急性などを考慮し、近日中に利用券を発行することで、3市場のみならず地域住民への支援にもつなげたい考えだ。
久保会頭は「国や道などがさまざまな対策を考えてくれているが、実行には時間がかかる。今現在困っている店や企業が道南でもすでに大勢ある中で、まずは会議所として迅速に実行できる支援に取り組むことが求められている」とした上で、「3市場以外の支援施策についても第3、第4弾といった形で考えていかなければならないが、できることから取り組んでいきたい」と話している。
問い合わせは同会議所(0138・23・1181)へ。(野口賢清)